多値論理研究会

多値論理研究会ニュースNo.103

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      多値論理研究会ニュース

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          MM VV      VV LL                     No.103    2025年 12月
          MM  VV    VV  LL                     発行責任者: 中原 啓貴
          MM   VV  VV   LL                     編 集 者: 上野 嶺
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掲載事項

1. 第39回多値論理とその応用研究会開催案内
2. ISMVL2025レポート
3. 第48回多値論理フォーラム報告
4. 第91回多値論理研究会委員会議事録
5. 第60回多値論理研究会年次総会議事録
6. 会計報告
7. 多値論理フォーラム論文賞報告

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1.第39回多値論理とその応用研究会開催案内

                                       (二種研幹事:上野 嶺,開催担当幹事:本間 尚文)

 2026年1月に東北大学片平キャンパス電気通信研究所にて第39回多値論理とその応用研究会が開催されます。ISMVL2026のリハーサルともなる重要な開催ですので、みなさま奮ってご参加下さいますようお願いいたします。

座長:  永山 忍(広島市立大学)

目的:
 半導体微細化技術の飛躍的な進歩が情報処理・通信システムの目覚ましい性能向上の原動力になってきたが、近年、微細化によるLSI性能向上の限界が次第に現実化しつつあり、それを打破すべく、デバイス・回路からアーキテクチャにおよぶ広い領域で様々な試みが精力的に研究されている。
 「0」と「1」だけでは表現できない世界を考察する多値論理の歴史は古く、論理設計に利用されてきたほか、LSIの高速化、小チップ面積化に有効な手法として研究が進められてきたが、テクノロジの限界が近づきつつある今、それを打破する新たな可能性を秘めた有力な手法の一つとして、多値論理が注目を集めている。例えば、冗長性を含む多値アルゴリズムは、特性変動が大きいデバイスを前提とするナノコンピューティングとの整合性が良く、革新的なナノアーキテクチャの実現につながる可能性がある。
 本研究会は、多値論理研究会と共催で、論理学、数学、論理設計、フォールトトレラント、ファジィ、人工知能等の側面から、また、デバイス、回路技術の観点から、多値論理の基礎とその応用について最新の研究成果を発表すると共に、分野の壁を越えた様々な研究者の間で意見交換と討論を行うことを目的とする。

日時:  令和8年 1月10日(土)13:00-18:00,1月11日(日)9:00-12:00 (時間は予定)
会場:  東北大学片平キャンパス電気通信研究所
    〒980–8577 宮城県仙台市青葉区片平2−1−1
    https://www.riec.tohoku.ac.jp/ja/top/access/
会場担当幹事:本間 尚文(東北大学)
発表申し込み締め切り:11月14日(金)

発表申し込み方法を含む詳細は下記URLの多値論理研究会ホームページをご参照下さい。
https://mvl.jpn.org/2syu/39/index.html

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2.ISMVL2025レポート
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 2025年6月5日から6日にかけて、カナダ・ケベック州モントリオールのMcGill大学にて、第55回IEEE多値論理国際シンポジウム(ISMVL2025)が開催された(Symposium Co-Chairs:Vincent Gaudet先生、Warren Gross先生、Program Co-Chairs:永山先生、鬼沢先生)。
本シンポジウムには、数学者、回路技術者、情報処理応用の専門家など、多彩な研究者が集い、「多値論理」をキーワードに、基礎から応用に至る幅広い学際的テーマについて活発な議論が交わされた。参加者は計69名であり、対面開催が復活し、国際的な交流の場となった。会場は、美しいノートルダム大聖堂や旧市街からほど近い、緑豊かなキャンパス内にある歴史あるFaculty Clubであり、落ち着いた雰囲気の中で議論が展開された。

 第1回ISMVL以来、長年にわたり多大な貢献をされたK.C.Smith教授を偲び、特別セッションおよび招待講演が企画された。また、東北大学の佐藤茂雄教授が研究代表を務めたJST CREST「スピンエッジコンピューティング」プロジェクトに関連する研究者による特別セッションでは、最先端のハードウェア関連の研究成果が披露された。

 シンポジウムでは、3件の招待講演と40件の一般講演が行われ、最新の研究成果が披露された。参加者の約半数は日本からの参加者であり、学生の参加も多く、日本における多値論理研究の存在感を世界の研究者に示す機会となった。

 また、BanquetのAwardセレモニーにおいて「Outstanding Contributed Paper Award」が町田先生へ、「Long Term Contribution Award」がLucien Haddad先生(カナダ)、「Kenneth C. Smith Early Career Award in Microelectronics」がTomasz Mazurkiewicz氏(ポーランド)へそれぞれ授与された。

 次回のISMVL2026は2026年5月19日〜21日に仙台・東北大学にて開催される。Symposium Chairは本間先生(東北大)、Program Chairは夏井先生(東北大)が務める予定である。論文募集等の詳細は、WEB(https://mvl.jpn.org/ISMVL2026/)に掲載される予定である。さらに、ISMVL2027はノルウェーのKongsbergで開催されることが正式に承認された。

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3. 第48回多値論理フォーラム報告
                                                 (開催担当幹事:河口 万由香)

 本年度の多値論理フォーラムは、9月20日(土)から21(日)にかけて、札幌市の北海道大学情報科学研究院にて開催されました。
 
 第48回となるフォーラムでは、一般講演9件、ショートペーパー1件の計10件が発表され、参加者は20名となりました。学生の参加も多く、盛況な研究会となりました。
 
 講演では発表者と聴講者の間で活発な議論が交わされ、情報や意見交換が行えただけでなく、コーヒーブレイクなどの時間にも研究者間の交流が深まりました。また、講演後には懇親会が開催され、教員と学生をはじめとする参加者間で幅広い交流と意見交換の機会を得ることができました。
 
 開催にあたりご協力いただいた中原先生をはじめ、委員の皆様、そしてご参加いただいた多数の皆様に心より感謝申し上げます。

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4. 第91回多値論理研究会委員会議事録
                                            (庶務担当幹事:平山 貴司)

日時:2025年9月20日(土)16:50~
会場:北海道大学 大学院情報科学研究院

報告事項
1 第48回多値論理フォーラム開催報告
 河口先生より研究会の開催状況が報告された。
 ・発表件数:10件(一般講演9件、ショートペーパー1件)
 ・参加者:20名
2 二種研MVL優秀論文賞・MVL論文賞の選定結果報告
 ・MVL優秀論文賞:該当者なし
 ・MVL論文賞
  論文名:2次元マッピングによる可視光通信での適応型多値シンボル判定への応用
  著者名:岡田篤典、飯島洋祐(小山高専)
3 ISMVL2025・ULSIWS2025・Reed-Muller2025の開催報告
 永山先生よりISMVL2025・ULSIWS2025の状況報告があった。
4 ISMVL2026仙台の開催準備状況報告
 本間先生よりISMVL2026仙台の開催準備状況が報告された。
 日程:2026年5月18日にULSIWS、19~21日にISMVLを開催予定。
 会場:東北大学片平キャンパス電気通信研究所を予定。
5 その他
 なし

審議事項
6 会計報告
会計担当幹事の飯島先生より令和6年度の多値論理研究会の会計報告が行われ、承認された。
7 会計監査報告
 会計監査の夏井先生より会計処理が適切であることを確認したとの報告があった。以上の報告をもとに審議が行われ承認された。
8 功績賞・貢献賞
 庶務担当幹事より該当者が報告され、承認された。
 功績賞:笹尾勤先生 明治大学
 功績賞:和保孝夫先生 上智大学
 貢献賞:平山貴司先生 岩手大学
9 第39回(2026年1月)多値論理とその応用研究会について
 開催ホストの本間先生より開催予定がアナウンスされた。
 日程:2026年1月10日(土)、11日(日)
 場所:仙台 東北大学
10 第49回(2026年9月)多値論理フォーラムについて
 宮内先生より開催予定が提案され、承認された。
 日程:2026年9月12日(土)、13日(日)
 場所:宮崎県宮崎市
11 今後の研究会開催について
 2027年1月の二種研は京都での開催を、上野先生が検討することとなった。
 (2027年9月のフォーラム以降は未定)
12 その他
 なし
以上。

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5. 第60回多値論理研究会年次総会議事録 
                                           (庶務担当幹事:平山 貴司)

日時:2025年9月21日(日)12:00~
会場:北海道大学 大学院情報科学研究院

報告事項
1 第48回多値論理フォーラム開催報告
 河口先生より研究会の開催状況が報告された。
 ・発表件数:10件(一般講演9件、ショートペーパー1件)
 ・参加者:20名
2 二種研MVL優秀論文賞・MVL論文賞の表彰
 ・MVL優秀論文賞:該当者なし
 ・MVL論文賞
  論文名:2次元マッピングによる可視光通信での適応型多値シンボル判定への応用
  著者名:岡田篤典、飯島洋祐(小山高専)
3 会計報告
 会計担当幹事の飯島先生より令和6年度の多値論理研究会の会計報告が行われた。
4 会計監査報告
 会計監査の夏井先生より会計処理が適切であることを確認したとの報告があった。
5 功績賞・貢献賞の表彰
 功績賞:笹尾勤先生 明治大学
 功績賞:和保孝夫先生 上智大学
 貢献賞:平山貴司先生 岩手大学
6 第39回(2026年1月)多値論理とその応用研究会について
 開催ホストの本間先生より開催予定がアナウンスされた。
 日程:2026年1月10日(土)、11日(日)
 場所:仙台 東北大学
7 ISMVL2026(2026年5月)について
 本間先生よりISMVL2026仙台の開催準備状況が報告された。
 日程:2026年5月18日にULSIWS、19~21日にISMVLを開催予定。
 会場:東北大学片平キャンパス電気通信研究所を予定。
8 第49回(2026年9月)多値論理フォーラムについて
 宮内先生より開催予定が報告された。
 日程:2026年9月12日(土)、13日(日)
 場所:宮崎県宮崎市
9 今後の研究会開催について
 2027年1月の二種研は京都での開催を、上野先生が検討すると報告された。
10 その他
 なし
以上。

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6. 会計報告
                                                  (会計担当幹事:飯島 洋佑)

 2024年度会計と2025年度予算案の資料をご希望の方は会計担当幹事の飯島までご連絡ください。

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7. 多値論理フォーラム論文賞報告
                                                  (技術担当幹事:宮内 亮一)

 第48回多値論理フォーラム(2025年9月開催)にて発表された論文に対して、聴講した会員により投票が行われた結果、以下の論文にMVL優秀論文賞、MVL論文賞ならびにMVL優秀発表賞が贈られることとなった。
※MVL優秀発表賞は、学生・若手研究者の研究活動奨励のために今回から新設された賞であり、ショートペーパーならびにWIP(Work-in-Progress)を含めたすべてのご発表を対象とした賞である。

MVL優秀論文賞:ΔΣ変調ビット列を用いた多層パーセプトロン
    和保 孝夫、林 等(上智大学)

MVL論文賞:オートエンコーダと深層埋め込みクラスタリングによるキーボード音響サイドチャネル攻撃の高精度化
    岡田 篤典※1,林 優一※2,本間 尚文※1
※1:東北大学,※2:奈良先端科学技術大学院大学

MVL優秀発表賞:圧電エナジーハーベスタのインターフェース回路における制御回路の単電源化に関する検討(ショートペーパー)
    大沢 周、宮内 亮一、兵庫 明(東京理科大学)